共働きの夏の電気代を下げる方法|エアコンを我慢しない節電の考え方2026

時短家電

共働きの夏の電気代を下げる方法を、エアコンを我慢しない前提で。効率を上げる具体策、つけっぱなしの考え方、手間なくできる優先順位トップ5まで、目安とともに解説します。(PR:本記事はプロモーションを含みます)

(PR:本記事はプロモーションを含みます)ただし、私が実際に共働き家庭で夏を越えながら試して「効いたこと・効かなかったこと」を正直に書いています。効果が薄かった節電も、そのまま書きます。

正直に言うと、私は毎年7月の電気代の通知を見るのが怖いです。35歳、都内の食品メーカーで営業を12年やっていて、4歳の結愛を保育園に預けながらフル勤務に戻った身としては、家事の時間を削るために時短家電を増やしてきました。食洗機、ドラム式洗濯乾燥機、電気圧力鍋、ロボット掃除機。どれも「もう手放せない」と本気で思っています。

でも、家電が増えるとどうしても頭をよぎるのが「うち、電気使いすぎじゃないかな」という不安なんですよね。武蔵小杉の60㎡・2LDKの賃貸で、夫の健太郎(SE)と二人で家事を回しているとはいえ、夏の電気代は他の季節より明らかに上がる。去年の夏、明細を見て「え、こんなに?」と声が出てしまいました。

そのとき私が最初にやろうとしたのが、「エアコンを我慢する」でした。今思えば、これが一番やってはいけない発想だったんです。4歳の子どもがいる家で、暑さを我慢して過ごす——これは節約ではなく、健康を賭けたギャンブルでした。だからこの記事では、まずそこを否定するところから始めます。

この記事の結論を先に書きます。夏の電気代を下げる正解は「エアコンを我慢すること」ではなく、「エアコンに効率よく働いてもらうこと」と「エアコン以外の地味な積み上げ」と「契約そのものの見直し」の3方向です。そして共働きにとって一番大事なのは、手間をかけずに効く順番から手をつけること。この記事は、去年の私が一番読みたかった形でまとめました。

💡 この記事を読み終えたあなたの状態
– 夏に電気代が上がる主因がどこにあるのかを、家庭の中で切り分けられる
– 「エアコンを我慢する節電」がなぜ危険で、なぜ節約としても効率が悪いのかが分かる
– エアコンの効率を上げる具体策を、今日できるものから順に実行できる
– 「つけっぱなし vs こまめに消す」を、条件で判断できるようになる
– 食洗機・ドラム式などの時短家電を、罪悪感なく使い続けられる
– 料金プラン・契約アンペアという「1回で終わる見直し」の存在を知れる
– 手間の割に効かない節電を、堂々とやめられる

👤 こんな人に読んでほしい

  • [x] 夏の電気代の明細を見て「え、こんなに?」となった共働き家庭
  • [x] 小さい子どもがいて、暑さを我慢させるのは怖いと感じている人
  • [x] 時短家電を増やしたけれど、電気代への罪悪感が消えない人
  • [x] 節電情報が多すぎて、何から手をつければいいか分からない人
  • [x] 平日に手間をかける余裕がなく、「1回やれば終わる」対策を探している人

  1. 📖 この記事の目次
  2. この記事のゴール
  3. 第1部 夏の電気代はなぜ上がるのか——主因の切り分け
    1. 1-1. 夏の増加分は、ほぼ「冷房」で説明がつく
    2. 1-2. 「電気代」ではなく「kWh(使用量)」を見る
    3. 1-3. エアコンの電気は「部屋を冷やすとき」に一番使う
    4. 1-4. 共働き家庭に特有の「夏の電気の癖」
  4. 第2部 「エアコンを我慢する」は間違い——健康が最優先
    1. 2-1. まず、この記事の一番大事な前提
    2. 2-2. 子どもがいる家庭では、特に危険
    3. 2-3. そもそも「我慢」は節約手段として効率が悪い
    4. 2-4. 「我慢しない」と「無頓着」は違う
  5. 第3部 エアコンの効率を上げる具体策9つ
    1. 3-1. 設定温度より先に「風量」を疑う
    2. 3-2. 「自動運転」に任せる——手動での微調整は素人が勝てない
    3. 3-3. フィルター掃除——効果が大きくて、手間が小さい代表格
    4. 3-4. 室外機まわり——「熱の逃げ道」を塞がない
    5. 3-5. 遮光カーテン・すだれ——「熱を入れない」が最強
    6. 3-6. サーキュレーター・扇風機との併用——設定温度を上げる代わりに風を当てる
    7. 3-7. 除湿と冷房の使い分け——「暑い」の正体が湿気のこともある
    8. 3-8. 帰宅前に部屋を熱くしすぎない工夫
    9. 3-9. 買い替えという選択肢——ただし急がなくていい
    10. 3-10. 【一覧】効果×手間で並べ替えた9つ
  6. 第4部 つけっぱなし vs こまめに消す——条件次第という正直な話
    1. 4-1. 結論:どちらが得かは、条件で決まる
    2. 4-2. 境目を左右する4つの要素
    3. 4-3. 私が採用している「考えなくていいルール」
    4. 4-4. 就寝時のタイマーについて
    5. 4-5. 「30分ルール」を家族で共有する意味
  7. 第5部 時短家電の電気代は、実は小さい話
    1. 5-1. 私が一番モヤモヤしていたこと
    2. 5-2. 「1回あたりの消費電力」と「月の総量」は別物
    3. 5-3. 食洗機は「電気を使うけれど、水は減る」
    4. 5-4. ドラム式の乾燥——「干す時間」の価値をどう見るか
    5. 5-5. 時短家電をやめても、たぶん夏の電気代は下がらない
  8. 第6部 待機電力・冷蔵庫・照明——地味な積み上げ
    1. 6-1. 冷蔵庫——夏は一番不利な季節
    2. 6-2. 照明——LED化は「一度で終わる」対策
    3. 6-3. 待機電力——ゼロではないが、優先順位は高くない
    4. 6-4. 給湯——夏こそ見直しどきかもしれない
    5. 6-5. 地味な積み上げは「1回で終わる形」にする
  9. 第7部 料金プラン・契約アンペアの見直しという選択肢
    1. 7-1. 使い方を変えなくても変わる部分がある
    2. 7-2. 契約アンペアとは何か——「同時に使える量」の話
    3. 7-3. 料金プランの見直し——生活リズムと合っているか
    4. 7-4. 電力会社の切り替えについて——慎重に、公式で
    5. 7-5. 契約側の見直しが、共働きに一番向いている理由
  10. 第8部 共働きが手間をかけずにできる優先順位トップ5
    1. 8-1. 第1位:エアコンの風量を「自動」にする(所要時間10秒)
    2. 8-2. 第2位:朝、遮光カーテンを閉めてから出る(所要時間5秒)
    3. 8-3. 第3位:室外機の前の物をどける+フィルター掃除(週末に1回・30分)
    4. 8-4. 第4位:サーキュレーターを併用する(電源を入れるだけ)
    5. 8-5. 第5位:契約プランと契約容量を確認する(1回・30分)
    6. 8-6. 【一覧】この5つだけやればいい
  11. 第9部 やらなくていい節電——労力に見合わないもの
    1. 9-1. 毎日のコンセント抜き差し
    2. 9-2. 家族への「消して」の声かけ
    3. 9-3. 効果を実感できない細かすぎるテクニック
    4. 9-4. 「エアコンを我慢する」——絶対にやらない
    5. 9-5. 完璧を目指すこと自体をやめる
  12. FAQ よくある質問
  13. まとめ——我慢しないで、仕組みで下げる
    1. この記事のまとめ
    2. 🎯 迷ったらコレ(結論)
    3. 最終チェックリスト(自己診断)
    4. 📄 関連記事

📖 この記事の目次

内容 読了目安
ゴール この記事で「何をやって、何をやらないか」を決められる状態にする ⏱ 2分
第1部 夏の電気代はなぜ上がるのか——主因の切り分け ⏱ 8分
第2部 「エアコンを我慢する」は間違い——健康が最優先 ⏱ 7分
第3部 エアコンの効率を上げる具体策9つ ⏱ 12分
第4部 つけっぱなし vs こまめに消す——条件次第という正直な話 ⏱ 7分
第5部 時短家電の電気代は、実は小さい話 ⏱ 7分
第6部 待機電力・冷蔵庫・照明——地味な積み上げ ⏱ 8分
第7部 料金プラン・契約アンペアの見直しという選択肢 ⏱ 7分
第8部 共働きが手間をかけずにできる優先順位トップ5 ⏱ 6分
第9部 やらなくていい節電——労力に見合わないもの ⏱ 6分
FAQ よくある質問(電気代の目安・子ども・在宅勤務ほか) ⏱ 7分
まとめ 最終チェックリストで自己診断 ⏱ 3分

⚠️ 最初にお断り(金額の扱いについて):この記事に出てくる電気代の金額は、すべて目安です。電気代はお住まいの地域・契約している電力会社と料金プラン・使っている機種と年式・部屋の広さと断熱性能・家族の在宅時間によって大きく変わります。同じ「エアコン1時間」でも、10年前の機種と最新機種、6畳と18畳では消費電力がまるで違います。この記事は「金額を当てる」ためではなく、「どこに効く対策から手をつけるか」の順番を決めるために読んでください。正確な料金は、契約中の電力会社の公式サイトやマイページでご確認ください。

それではまず、「そもそも夏の電気代は、家の中のどこで増えているのか」から整理していきます。


この記事のゴール

🎯 ゴール:この記事を読み終えたとき、あなたが「うちはこれをやる/これはやらない」を自分で決められていること。これがゴールです。

節電の記事って、正直「やることリスト」が多すぎると思うんですよね。フィルター掃除、室外機の日よけ、カーテン、サーキュレーター、待機電力カット、冷蔵庫の詰めすぎ注意、契約プラン見直し……全部やろうとしたら、それだけで週末が溶けます。共働きにその時間はありません。

だからこの記事では、「効果の大きさ」と「手間の少なさ」の2軸で並べ替えることを一番大事にしています。効果が大きくて手間が少ないものは今日やる。効果は大きいけれど手間がかかるものは週末に1回だけやる。効果が小さくて手間が大きいものは、やらなくていいとはっきり書きます。

そしてもうひとつ、この記事で絶対に守っているルールがあります。健康より節電を優先する書き方は、一切しません。 暑さを我慢して体調を崩したら、医療費でも、仕事を休むコストでも、失うものは電気代の比ではありません。子どもや高齢の家族がいる家庭なら、なおさらです。「電気代を気にしてエアコンを止める」という選択肢は、この記事には出てきません。そのうえで、同じ涼しさをより少ない電気で得る方法を探していきます。


第1部 夏の電気代はなぜ上がるのか——主因の切り分け

🎯 この章のゴール:夏の電気代の増加分が、家の中のどこで発生しているのかを切り分ける。「敵の居場所」を先に特定して、無駄な努力を減らす。

1-1. 夏の増加分は、ほぼ「冷房」で説明がつく

まず身も蓋もない事実から。夏に電気代が上がる主因は、圧倒的にエアコンの冷房です。

これ、当たり前に聞こえるかもしれませんが、意外と見落とされます。私も去年、明細を見て最初にやったのは「待機電力を減らそう」でした。テレビの主電源を切って、使っていない充電器をコンセントから抜いて。……1か月後、電気代はほとんど変わりませんでした。当たり前です。増えた原因はエアコンなのに、エアコン以外を触っていたからです。

家庭で使う電気を、機器ごとにざっくり分けると次のようなイメージになります。あくまで一般的な傾向で、家庭ごとに順位は入れ替わります。

機器 夏の電気使用に占める存在感(傾向) 補足
エアコン(冷房) 最大級。夏の増加分のほとんどを占めることが多い 稼働時間が長いほど比重が上がる
冷蔵庫 大きい。ただし年間を通じて一定に近い 夏は外気温が高く効率が落ちやすい
照明 中程度。LEDなら小さい 蛍光灯・白熱電球のままだと存在感が増す
テレビ・PC等 中〜小 在宅時間が長いと積み上がる
食洗機・洗濯乾燥機 中〜小。使用回数で決まる 1回あたりは大きく見えても、回数が限られる
待機電力 小さいがゼロではない 家全体で見ると無視できない程度

※この表は一般的な傾向を整理したものです。実際の比率は住まいの断熱性能・家族構成・在宅時間・機種の年式で大きく変わります。

ここで大事なのは、「夏に増えた分」と「もともとかかっている分」を分けて考えることです。冷蔵庫は冬も夏も動いています。照明も一年中使います。でも、冷房は夏にしか使いません。だから、明細の「去年の冬と比べた増加分」に一番効いているのは冷房、という見方ができます。

💡 ヒント:明細やマイページで去年の同じ月と比べてみてください。多くの電力会社は前年同月の使用量(kWh)を表示してくれます。「今年は暑いから仕方ない」で終わらせず、どのくらい増えたのかを数字で見ると、対策の優先順位が一気にはっきりします。

1-2. 「電気代」ではなく「kWh(使用量)」を見る

もうひとつ、去年の私が間違えていたことがあります。金額だけを見て一喜一憂していたことです。

電気代の請求額は、使った量(kWh)だけで決まるわけではありません。燃料費の調整や再生可能エネルギーの賦課金など、自分の努力ではどうにもならない要素が単価に乗ってきます。つまり、去年と同じ量しか使っていなくても、単価が上がれば請求額は増えます。

だから、自分の節電が効いたかどうかを確かめたいなら、見るべきは金額ではなく kWh(キロワットアワー=使用量)です。

見る指標 分かること 使いどころ
請求金額(円) 家計への実際のインパクト 予算管理・家計簿
使用量(kWh) 自分の使い方が変わったか 節電の効果測定
前年同月比(kWh) 天候・生活変化を含めた変動 「増えた原因」の特定
1日あたり使用量 月の日数差を除いた比較 月をまたいだ比較

私は去年から、家計簿には金額を、スマホのメモには kWh を記録するようにしました。「今月は金額は上がったけど、使用量は減っている」——これが分かると、精神衛生がだいぶ違います。頑張った分がちゃんと数字に出ているのが見えるので、健太郎とも「今月これ効いたね」と話せるようになりました。

⚠️ 注意:使用量(kWh)は天候に強く左右されます。猛暑日が多い月は、同じ使い方をしていても増えます。「去年より減らす」ではなく「同じ暑さなら減っているはず」というくらいの気持ちで見てください。数字に振り回されて、暑い日にエアコンを我慢するようになったら本末転倒です。

1-3. エアコンの電気は「部屋を冷やすとき」に一番使う

エアコンの電気の使い方には、はっきりした特徴があります。運転を始めて、目標の温度まで部屋を冷やしている間が一番電力を使うということです。

いまのエアコンの多くはインバーター(能力を可変にする仕組み)を積んでいて、設定温度に近づくと出力を落として、少ない電力で温度を保つように動きます。イメージとしては、車の発進が一番ガソリンを食って、一定速度の巡航は燃費がいい、というのに近いです。

この特徴が分かると、いろいろな話が一本の線でつながります。

特徴 そこから導かれること
冷やし始めが一番電気を使う こまめなオンオフは、条件次第で逆効果になりうる
温度維持は比較的省エネ 短時間の外出なら、つけたままの方が有利なことがある
部屋が熱いほど冷やす負担が大きい 部屋を熱くしない工夫(遮光・断熱)が効く
熱を外に捨てられないと効率が落ちる 室外機まわりの環境が電気代に直結する
空気が動かないと体感温度が下がりにくい サーキュレーター併用で設定温度を上げられる

第3部以降の具体策は、全部この表のどれかに紐づいています。バラバラのテクニックを覚えるのではなく、「冷やす負担を減らす」「熱を捨てやすくする」「体感温度を下げる」の3つに分類して覚えると、忘れません。

1-4. 共働き家庭に特有の「夏の電気の癖」

共働き家庭には、専業世帯とも単身世帯とも違う、独特の電気の使い方があります。私が自分の家で気づいたことを書きます。

帰宅直後にピークが来る。 日中は誰もいない家が、外気温で熱を溜め込みます。帰宅して「暑い!」とエアコンをつけると、その熱を全部取り除く仕事をエアコンにさせることになる。うちの場合、平日の電気の山は18時〜21時にきれいに立ちます。

夜の家事が集中する。 保育園から帰って、夕飯を作って、お風呂に入れて、洗濯を回して、食洗機を回す。この時間帯に、エアコン+調理家電+洗濯乾燥+照明+テレビが全部重なります。使用量というより、同時に使う電力(アンペア)が跳ねるのがこの時間帯です。これは第7部の契約アンペアの話につながります。

週末はまるごと在宅で冷房が長時間。 平日は「夜だけ」だったエアコンが、土日は朝から晩まで動きます。共働きの冷房費は、平日の夜+週末の終日という形で積み上がるんですよね。

時間帯 共働き家庭の傾向 効く対策の方向性
平日 日中 不在。部屋が熱を溜め込む 遮光カーテン・すだれで熱を入れない
平日 18-21時 冷房+家事家電が集中 同時使用の分散・アンペア見直し
平日 深夜 就寝時の冷房 風量・気流の工夫、タイマーより連続運転
週末 終日 長時間の冷房 効率対策(フィルター・室外機)の効果が最大

面白いのは、日中の不在時間に効く対策があるということです。誰もいないのに何かできるの?と思うかもしれませんが、できます。朝出かける前にカーテンを閉めておくだけ。これで帰宅時の部屋の暑さがまったく違います。うちはこれを健太郎と分担して、後から出る方が閉める、というルールにしました。手間はゼロ秒に近いのに、帰宅後にエアコンが働く量が減ります。

本章のまとめ
– 夏の電気代の増加分は、ほぼ冷房で説明がつく。まずエアコンを見る
– 効果測定は金額ではなく使用量(kWh)と前年同月比で見る
– エアコンは冷やし始めが一番電気を使い、維持は省エネ
– 対策は「冷やす負担を減らす/熱を捨てやすくする/体感温度を下げる」の3分類で覚える
– 共働きは「平日夜+週末終日」に冷房が集中。日中の遮光が地味に効く


第2部 「エアコンを我慢する」は間違い——健康が最優先

🎯 この章のゴール:節電のためにエアコンを我慢する、という発想を明確に手放す。そのうえで「我慢しないまま減らす」という土俵に立ち直す。

2-1. まず、この記事の一番大事な前提

この記事で一番伝えたいことを、ここに置きます。

夏の暑さは、我慢していい種類のものではありません。エアコンは「贅沢品」ではなく「安全のための設備」です。

これは節電記事の建前として書いているのではなく、私が本気でそう思っています。去年、電気代の明細を見て「日中の在宅時間は少し我慢しようかな」と口にしたとき、健太郎に真顔で止められました。「それ、結愛が家にいる日どうするの」と。ハッとしました。節約の対象にしてはいけないものを、対象にしようとしていたんです。

熱中症は、屋外で運動しているときだけに起こるものではありません。室内で、じっとしていても起こります。 そして重症化すると命に関わります。電気代を数千円節約するために背負うリスクとしては、あまりにも割に合いません。

2-2. 子どもがいる家庭では、特に危険

小さい子どもがいる家庭では、大人の感覚で判断してはいけない理由がいくつもあります。

理由 どういうことか
体温調節が未熟 小さい子どもは体温をうまく調節できず、深部体温が上がりやすい
身長が低い 床に近いほど照り返しや床の熱の影響を受けやすい
自分で訴えられない 「暑い」「気持ち悪い」を的確に言葉にできないことがある
遊びに夢中になる 暑さに気づかず限界まで動き続けてしまう
大人が気づきにくい 顔が赤い・機嫌が悪い程度に見えて、実は危険なことがある

結愛を見ていて怖いのは、本人が「暑い」と言わないことなんですよね。夢中で遊んでいて、こちらが気づいたときには汗だくで顔が真っ赤、ということがあります。「本人が暑いと言わないから大丈夫」は、まったく根拠になりません。

高齢のご家族と同居している場合も同じです。年齢を重ねると暑さを感じにくくなったり、のどの渇きに気づきにくくなったりすることが知られています。「本人が暑がっていないから」という理由でエアコンを止めるのは、危ない判断だと考えてください。

⚠️ 注意:体調に不安がある方、持病がある方、妊娠中の方、小さいお子さんや高齢のご家族がいる家庭は、室温管理の目安について必ず医療機関や自治体・公的機関の案内に従ってください。この記事は電気代の話をするものであって、健康管理の指針を示すものではありません。少しでも体調に異変を感じたら、節電のことは一切考えず、涼しくして水分をとって、必要なら受診してください。

2-3. そもそも「我慢」は節約手段として効率が悪い

健康の話とは別に、純粋に節約の手段としても、我慢は筋が悪いと私は思っています。理由は3つあります。

理由1:続かない。 我慢はガマンなので、いつか限界が来ます。「今週は頑張ったから週末はガンガン冷やそう」となれば、平均すると大して減りません。継続しない対策は、実質ゼロです。

理由2:他の対策の効果を打ち消す。 我慢に意識が向くと、フィルター掃除や室外機まわりの整理といった一度やれば効き続ける対策への関心が薄れます。仕組みで減らすのと、気合いで減らすのは、まったく別ものです。

理由3:リスクのコストが大きすぎる。 体調を崩したときのコストを考えてみてください。受診の費用、薬代、仕事を休むこと、子どもの看病でどちらかが休むこと。共働きにとって「片方が倒れる」のは、スケジュールが総崩れになる事故です。数千円のために、その事故確率を上げる意味はありません。

節電のやり方 継続性 健康リスク 効果の安定性
我慢(設定温度を上げすぎる・切る) 低い 高い 不安定
効率改善(フィルター・室外機・気流) 高い(一度やれば持続) なし 安定
遮熱・断熱(カーテン・すだれ) 高い(設置だけ) なし 安定
契約・プラン見直し 最高(一度で終わる) なし 安定
待機電力カット なし 小さいが安定

この表を作ってみて、自分でも納得しました。上から2つ目以下は全部「仕組み」で、一番上だけが「気合い」なんですよね。そして気合いの列だけ、健康リスクの欄に「高い」と書かなければならない。共働きの私たちが選ぶべきなのは、明らかに下の方です。

2-4. 「我慢しない」と「無頓着」は違う

誤解のないように書いておきます。「我慢しなくていい」は、「何も考えずに使っていい」という意味ではありません。

私が言いたいのは、節電の努力を向ける先を、体感の我慢から、機器の効率と家の環境に移そうということです。同じ涼しさを、より少ない電気で実現する。この土俵なら、頑張るほど生活は快適になります。我慢の土俵は、頑張るほど生活が苦しくなる。だったら、勝てる土俵で戦った方がいいですよね。

我慢の節電(この記事では扱わない) 効率の節電(この記事で扱う)
暑くてもエアコンをつけない エアコンをつけたまま、効率を上げる
設定温度を体調が悪くなるまで上げる 気流と遮熱で、同じ体感を高めの設定で実現
汗をかきながら耐える 除湿と風で、汗をかかない状態を保つ
子どもに「もう少し我慢して」と言う 子どもが安全な室温を保ったまま、他で減らす

うちのルールはシンプルです。「暑い」と感じたら、まずエアコンをつける。減らす工夫はそのあとで考える。 これを健太郎とも共有しました。順番を決めておくと、迷いません。

本章のまとめ
– エアコンは贅沢品ではなく安全のための設備。我慢の対象にしない
– 子ども・高齢の家族がいる家庭では特に危険。「本人が暑がらない」は根拠にならない
– 我慢は節約手段としても、続かず・不安定で・リスクが大きい
– 努力の向け先を「体感の我慢」から「機器の効率と家の環境」に移す
– 家庭内ルールは「暑いと感じたらまずつける。工夫はその後」でいい


第3部 エアコンの効率を上げる具体策9つ

🎯 この章のゴール:エアコンを我慢せずに、同じ涼しさをより少ない電気で得るための具体策を、効果と手間の両面から把握する。今日できるものと週末にやるものを仕分ける。

ここがこの記事の本丸です。9つ挙げますが、全部やる必要はありません。最後に効果×手間の一覧表を置くので、そこから自分の家に合うものを拾ってください。

3-1. 設定温度より先に「風量」を疑う

一番よくある勘違いから書きます。「設定温度を1度上げれば節電になる」——これは間違いではありませんが、順番としては後ろだと私は思っています。

先に見るべきは風量です。風量を「弱」や「静音」に固定している家、けっこう多いんですよね。うちも去年までそうでした。「弱い方が電気を使わない気がする」という、なんとなくの感覚で。

でも実際は逆のことが起こりえます。風量が弱いと、部屋の空気がなかなか入れ替わらず、設定温度に到達するまでの時間が長くなる。エアコンは目標温度に届くまで頑張り続けるので、強めの風で一気に冷やして早く安定運転に入る方が、トータルの電力が少なくて済むことがあるんです。

だからおすすめは「自動」です。次の項目とセットで、これが基本設定になります。

3-2. 「自動運転」に任せる——手動での微調整は素人が勝てない

エアコンの自動運転は、部屋の温度を見ながら、風量と出力を自分で最適化してくれる機能です。冷やすときは強く、安定したら弱く。この切り替えを、機械が自分の温度センサーの情報でやってくれます。

私たちが手動で「弱にしておこう」「微風で十分かな」とやるのは、センサーの情報を持たない人間が、機械の判断に上書きをかけている状態です。しかもその上書きは、たいてい「なんとなく弱い方が省エネそう」という思い込みに基づいています。勝てるわけがないんですよね。

うちは去年の夏の途中から、風量は原則「自動」固定にしました。手間はリモコンを一度押すだけ。それで終わりです。共働き向けの対策としては、これ以上ないほどコスパがいいと思っています。

💡 ヒント:「自動」と「送風」を混同しないでください。送風はただ風を出すだけで、冷やしません。 暑い日に送風で過ごすのは、扇風機を回しているのとほぼ同じことです(それが有効な日もありますが、猛暑日には足りません)。

3-3. フィルター掃除——効果が大きくて、手間が小さい代表格

エアコン内部のフィルターにホコリが詰まると、空気の通りが悪くなり、同じ涼しさを得るために余計に電力を使います。 これは仕組みとして素直に理解できる話ですよね。ストローが詰まっていたら、吸うのに力がいる。それと同じです。

しかもフィルター掃除は、効果の割に手間が小さい。うちの場合、フィルターを外して掃除機をかけて、汚れがひどければ水洗いして完全に乾かして戻す。所要時間は1台10分程度です。

フィルター掃除の目安 内容
頻度 2週間に1回程度が推奨されることが多い(メーカー・機種による)
所要時間 1台あたり5〜15分程度
やり方 掃除機でホコリを吸う→汚れがひどければ水洗い→完全に乾かして戻す
注意 濡れたまま戻さない/取扱説明書の指示を最優先/自動お掃除機能付きでもダストボックスの清掃は必要

※頻度・手順は機種によって異なります。必ずお使いの機種の取扱説明書に従ってください。

正直に言うと、私は2週間に1回は守れていません。月1回できれば上出来、というのが実態です。それでも、シーズン前に1回きちんとやるだけで、体感の効きがまるで違うのは実感しています。共働きの現実解としては、「6月に1回、8月に1回」くらいでも、やらないよりずっといいと思っています。完璧を目指して0回になるより、雑でも2回やる方が勝ちです。

⚠️ 注意:エアコン内部の分解や、フィルターより奥(熱交換器・送風ファン)の洗浄は、自分でやらないでください。市販の洗浄スプレーで内部を洗うのも、機種によっては故障や漏電の原因になりえます。奥の汚れが気になる場合は、メーカーや専門の業者に相談するのが安全です。私も一度、奥のカビが気になって自分でやろうとして、健太郎に止められました。止めてもらってよかったと思っています。

3-4. 室外機まわり——「熱の逃げ道」を塞がない

意外と見落とされているのが室外機です。エアコンは、部屋の熱を集めて室外機から外に捨てる仕組みで動いています。つまり室外機は「熱の排気口」。ここが働きにくい状態だと、いくら室内機を頑張らせても効率が落ちます。

私が去年、自分の家のベランダを見て青ざめたのがこれでした。室外機の前に、結愛の砂遊びセットと、健太郎の自転車のタイヤと、使っていないプランターが置いてあったんです。完全に排気を塞いでいました。

室外機のチェック項目 望ましい状態
前後の空間 吹き出し口の前に物を置かない。風の通り道を確保する
直射日光 本体に直射日光が当たり続けるのは効率上不利になりやすい
日よけの方法 日よけを置く場合も、吸排気を塞がないことが絶対条件
上に物を載せる 載せない。振動・放熱の妨げになる
周囲の雑草・ホコリ 取り除く。空気の通りを確保
本体を洗う 水をかけて洗うのは避ける。心配なら業者に相談

日よけについては、少し慎重に書きます。「室外機に日よけをすると効率が上がる」とよく言われますが、やり方を間違えると逆効果です。 本体をすっぽり覆うようなカバーを付けたり、吹き出し口の前に板を立てたりすると、排気した熱い空気をまた吸い込むことになりかねません。それは効率を下げます。

安全なのは、本体には触れず、上から日陰を作るイメージ。ベランダの手すりに日よけを掛けて影を落とす、といった方法です。ただしこれも、賃貸なら管理規約の確認が必要ですし、風で飛ばないようにする配慮も要ります。うちはベランダの構造上難しかったので、「物をどける」だけにしました。それでも十分価値がありました。

💡 ヒント:室外機まわりの片付けは、一度やれば効き続けるタイプの対策です。しかも所要時間は10分。共働きの節電で、これほど費用対効果のいい作業はなかなかありません。今週末、ベランダを見に行ってみてください。

3-5. 遮光カーテン・すだれ——「熱を入れない」が最強

エアコンの負担を減らす一番大きな要素は、そもそも部屋を熱くしないことです。そして夏に室内が熱くなる主要ルートはです。

日射が窓から入ると、床や壁や家具が熱を持ちます。いったん温まった床や壁は、日が落ちてからも熱を放出し続けます。これが「帰宅したら家がサウナ」の正体です。

遮熱の手段 特徴 手間
遮光・遮熱カーテンを閉める 朝閉めるだけ。日中不在の共働きと相性が最高 ほぼゼロ
すだれ・シェード(窓の外側) 外で日射を止めるので効果が出やすい 設置に手間・賃貸は要確認
断熱シートを窓に貼る 窓からの熱の出入りを抑える 貼る手間・見た目
遮熱フィルム 貼りっぱなしでいい 施工の手間・賃貸は要確認
家具の配置を変える 日が当たる場所に熱を溜めやすい物を置かない 中程度

一般に、日射は窓の外側で止める方が有利とされています。中に入ってから遮るより、入る前に止めた方が効率がいいからです。とはいえ賃貸だと外側に何かを設置するのはハードルが高いですよね。うちも、ベランダ側にはすだれを掛けられましたが、道路に面した窓は管理規約の関係で断念しました。

だから私の結論は、「まず遮光カーテンを朝閉める。それだけでいい」です。所要時間5秒。効果は帰宅したときの部屋の温度で体感できます。うちはこれを始めてから、帰宅直後のエアコンの「うなり」の時間が明らかに短くなりました。

3-6. サーキュレーター・扇風機との併用——設定温度を上げる代わりに風を当てる

これが、「我慢せずに設定温度を上げる」ための最有力手段です。

人が感じる涼しさは、空気の温度だけで決まりません。風が当たると、汗の蒸発が促されて体感温度が下がります。 つまり、風があれば、同じ体感を少し高い設定温度で実現できる可能性があります。

さらにもうひとつ、部屋の空気の偏りを解消する役割があります。冷たい空気は下に溜まり、暖かい空気は上に溜まります。エアコンの温度センサーが感じている温度と、床でおもちゃを広げている結愛が感じている温度は、けっこう違うんですよね。サーキュレーターで空気を循環させると、部屋の中の温度ムラが減ります。

置き方 狙い
エアコンに背を向け、部屋の奥へ風を送る 冷気を部屋全体に行き渡らせる
天井に向けて回す 上下の温度ムラを混ぜる
人に直接当てる 体感温度を下げる(当てっぱなしは体を冷やすので注意)
部屋の対角線上に置く 空気が一周する流れを作る

うちはリビングに1台置いて、エアコンの下から部屋の奥へ向けて回しています。結愛が「かぜー」と言って前に立ちたがるので、そこは都度どかしていますが……。

サーキュレーターと扇風機の違いも一応書いておきます。扇風機は「人に風を当てる」ことが得意で、サーキュレーターは「空気を遠くまで送って循環させる」ことが得意、というのが基本的な位置づけです。エアコンとの併用で部屋全体を均一にしたいならサーキュレーター、自分に風を当てて涼しくなりたいなら扇風機、と考えると選びやすいと思います。両方の役割をこなせる製品もあります。

そして、これが大事なのですが、サーキュレーターや扇風機自体の消費電力は、エアコンに比べればずっと小さいのが一般的です。つまり、小さい電力を足すことでエアコンの大きな電力を減らせる可能性がある、という構図になります。共働き的にも、電源を入れるだけなので手間がありません。

⚠️ 注意:風を長時間、直接体に当て続けるのは体調を崩す原因になります。特に就寝中と、小さいお子さんには注意してください。人に当てるのではなく、空気を回すために使うのが基本の考え方です。それから当然ですが、風で涼しくなるのは、体温より低い空気があってこそです。猛暑日に扇風機だけで乗り切ろうとするのは危険なので、そこは第2部の前提に戻ってください。

3-7. 除湿と冷房の使い分け——「暑い」の正体が湿気のこともある

日本の夏がしんどい理由の半分は、湿度だと私は思っています。同じ気温でも、湿度が高いと汗が蒸発せず、体にまとわりつくような不快感が出ます。

このとき、温度をどんどん下げるより、湿度を下げた方が快適になることがあります。「設定温度を下げても下げても暑い」というときは、温度ではなく湿気が原因かもしれません。

ただし、除湿(ドライ)と冷房の電気代の関係は、機種によってまったく違うので、ここは断言できません。除湿には大きく2つの方式があり、片方は冷やした空気をそのまま出すタイプ、もう片方は冷やして除湿した空気を温め直して出すタイプです。後者は温め直す分のエネルギーを使うので、除湿の方が冷房より電気を使うこともあるんですよね。

方式(呼び名は各社で異なる) ざっくりした特徴
冷やした空気をそのまま出すタイプ 室温も下がる。消費電力は比較的抑えめなことが多い
温め直して出すタイプ 室温を下げずに除湿できる。電力を多く使うことがある

※方式の呼称・搭載状況・消費電力は機種によって異なります。必ずお使いのエアコンの取扱説明書やメーカーの案内をご確認ください。

私のおすすめは、難しく考えず「快適な方を使う」です。梅雨どきや夜のじめっとした日はドライ、日中の猛暑は冷房、という程度の使い分けで十分だと思っています。ここで悩んで時間を溶かすくらいなら、フィルターを掃除した方が確実に効きます。

3-8. 帰宅前に部屋を熱くしすぎない工夫

平日の共働きで一番エアコンに負担がかかるのは、帰宅直後です。日中に溜め込んだ熱を、一気に取り除く仕事をさせるからです。

ここに効くのが、次の3つです。

工夫 内容 手間
朝カーテンを閉める 日射を入れない。最優先 5秒
帰宅前に外の熱気を入れない 帰ってすぐ窓を全開にすると、外の熱い空気が入る。外気が室温より高いなら閉めたままの方がいい ゼロ
外出先からの遠隔起動 スマホ対応機種なら帰宅少し前に運転開始 初期設定のみ

3つ目は、対応機種を持っている人限定の話です。「帰る前につけておくと電気の無駄では」と思うかもしれませんが、帰宅後にフルパワーで冷やす時間が短くなる分、それほど不利にならないこともあるというのが考え方です。ここは条件次第で、断言はできません。ただ、帰宅した瞬間に涼しい家に入れる価値は、電気代とは別の軸で大きいと私は感じています。汗だくの結愛を抱えて熱い玄関に入るのと、涼しい部屋に入るのとでは、その後の夜の機嫌が全然違うので。

3-9. 買い替えという選択肢——ただし急がなくていい

最後に、身も蓋もない話をひとつ。古いエアコンは、新しいエアコンより電力を多く使う傾向があります。 冷房の効率は年々改善されてきているので、10年、15年前の機種を使い続けているなら、買い替えで使用量が下がる可能性は十分にあります。

ただ、私は「電気代のために今すぐ買い替えましょう」とは言いません。 本体価格と工事費を回収できるかは、使用時間・電気の単価・元の機種の状態によって大きく変わるからです。回収に何年もかかるなら、それは節約というより設備投資です。

私の考える現実的な線引きはこうです。

状況 判断
冷えない・異音・水漏れなど不調がある 修理か買い替えを検討。効率も悪化している可能性が高い
10年以上使っていて、夏の稼働時間が長い 買い替え候補。ただし急がず、価格が動く時期を狙う
5年以内・調子も良い 買い替えない。フィルターと室外機まわりで十分
引っ越し・リフォームの予定がある そのタイミングまで待つ

「壊れる前に、余裕のあるときに検討を始める」くらいがちょうどいいと思います。真夏に壊れて緊急で買うのが、一番高くつくパターンなので。

3-10. 【一覧】効果×手間で並べ替えた9つ

第3部で挙げた対策を、効果の大きさ手間の少なさで整理します。ここだけスクリーンショットしておいてもいいくらいの表です。

対策 効果(目安) 手間 いつやる
風量を「自動」にする 中〜大 ほぼゼロ 今すぐ
朝、遮光カーテンを閉める 中〜大 ほぼゼロ 今日から毎朝
室外機の前の物をどける 10分・1回 今週末
フィルター掃除 中〜大 10分/台 今週末+月1
サーキュレーター併用 電源を入れるだけ 今すぐ
すだれ・断熱シート 中〜大 設置1回・要確認 余裕のある週末
除湿と冷房の使い分け 小〜中 都度の判断 気が向いたら
帰宅前の遠隔起動 小(快適性は大) 初期設定のみ 対応機種のみ
エアコン買い替え 大・費用も大 壊れたら/古すぎるなら

※効果は住まいの条件・機種・使い方で大きく変わります。この表は「順番を決めるための目安」として使ってください。

私が去年から実際に続けているのは、上から5つだけです。全部やろうとして挫折するより、上から5つを確実にやる方が、絶対に結果が出ます。

本章のまとめ
– 設定温度より先に風量を「自動」に。手動の微調整は機械に勝てない
– フィルター掃除と室外機まわりの片付けは、効果が大きく手間が小さい優等生
– 遮熱(朝カーテンを閉める)は、共働きの日中不在と相性が最高
– サーキュレーター併用で、我慢せずに設定温度を上げられる可能性がある
– 買い替えは急がない。壊れる前に検討を始めるくらいでいい


第4部 つけっぱなし vs こまめに消す——条件次第という正直な話

🎯 この章のゴール:夏の節電で一番よく議論になるテーマについて、断言ではなく「条件で判断する基準」を持ち帰る。

4-1. 結論:どちらが得かは、条件で決まる

この話題、はっきり言って「常につけっぱなしが得」でも「常にこまめに消すのが得」でもありません。 そう書いている記事を見かけたら、少し疑った方がいいと私は思っています。

理由は第1部で書いたとおりです。エアコンは冷やし始めに一番電力を使い、維持は比較的省エネ。だから、

  • 短い外出なら、消してまた冷やし直すより、つけっぱなしで維持した方が有利になりやすい
  • 長い外出なら、誰もいない部屋を冷やし続けるより、消した方が有利になりやすい

という、ごく素直な話になります。問題は「短い」と「長い」の境目がどこか、ですが、これが家によって違うんですよね。

4-2. 境目を左右する4つの要素

境目がどこに来るかは、次の要素で動きます。

要素 「つけっぱなし有利」に寄る条件 「消す方が有利」に寄る条件
家の断熱性 高い(消しても部屋がすぐ暑くならない…が、再冷房の負担も小さい) 低い(消すと一気に暑くなる=再冷房が重い)
外気温 猛暑日。消すと室温が急上昇する 涼しい日・夜間
不在時間 短い(数十分程度) 長い(数時間以上)
機種の性能 立ち上がりの負担が大きい機種 立ち上がりが効率的な機種

複雑ですよね。私も最初、この話を調べていて「結局どっちなの」と投げ出したくなりました。だから、共働きが毎回判断しなくて済むように、うちの家のルールとして固定してしまいました。

4-3. 私が採用している「考えなくていいルール」

うちのルールはこれです。

状況 どうするか
30分以内の外出(近所の買い物・保育園の送り迎え) つけたまま
1〜2時間の外出 その日の暑さで判断。猛暑日ならつけたまま
半日以上の外出(出勤・お出かけ) 消す
就寝時 つけたまま(タイマーで切らない)
誰もいない部屋(使っていない寝室など) 消す

このルールの一番の価値は、「毎回考えなくていい」ことです。共働きの朝と夜に、エアコンのオンオフを都度検討する余力なんてありません。判断を家のルールとして固定して、思考のコストをゼロにする。 これは電気代というより、生活の消耗を減らすための工夫です。

4-4. 就寝時のタイマーについて

「寝るときに3時間で切れるようにタイマーをかける」——これ、やっている家庭が多いと思います。私も昔やっていました。

でもうちはやめました。理由は電気代ではなく、切れた後に暑くて目が覚めるからです。結愛が夜中に汗だくで起きて、そこから寝かしつけ直しになると、翌朝の私たちのコンディションが崩壊します。翌日の仕事のパフォーマンスまで考えると、タイマーで数時間分の電気を節約するのは、割に合わないというのが私の結論でした。

しかも、切れた後に部屋が暑くなり、明け方にまたつけ直せば、そこでまた「冷やし始めの電力」が発生します。節約になっているかも怪しい。

就寝時の運転 メリット デメリット
タイマーで切る 切れている間の電力はゼロ 暑さで起きる/再起動で電力を使う/睡眠の質が落ちる
つけっぱなし(温度は高め+気流) 睡眠の質が保てる/再冷房の負担がない 一晩ずっと通電する

うちは「つけっぱなし。ただし設定温度は日中より高め。風は直接当てない。薄手のタオルケットをかける」という形に落ち着きました。これが我が家の最適解です。ただ、寒がりの人・体調によっては合わないので、そこは自分の体で調整してください。睡眠は削っていいコストではありません。

⚠️ 注意:就寝時の室温・設定温度については、体調や年齢によって適切な範囲が異なります。特に乳幼児や高齢のご家族がいる場合は、公的機関や医療機関の案内を確認してください。この記事は「タイマーで切るより連続運転の方が電気の面では不利にならないことがある」という話をしているだけで、具体的な温度設定を推奨するものではありません。

4-5. 「30分ルール」を家族で共有する意味

最後に、共働きならではの話をひとつ。このルールは、必ずパートナーと共有してください。

うちは去年、私が「短い外出なら消さない方がいい」と決めていたのに、健太郎は「誰もいないのにつけっぱなしはもったいない」と思って毎回消していました。同じ家で真逆の運用をしていたわけです。これ、電気代以前に、お互いにちょっとしたイライラの種になるんですよね。「なんで消してるの」「なんでつけっぱなしなの」の小競り合い。

だから、紙に書いて冷蔵庫に貼りました。「30分以内の外出は消さない」とだけ。それ以来、この件で言い合いになることはなくなりました。節電のルールは、家族で共有して初めて機能します。

本章のまとめ
– つけっぱなしとこまめなオンオフは、条件次第。どちらかが常に正解ではない
– 境目は「不在時間・外気温・断熱性・機種」で動く
– 共働きは判断を家のルールとして固定して、思考のコストをゼロにする
– 就寝時のタイマーは、睡眠の質と再冷房を考えると割に合わないことが多い
– ルールはパートナーと共有する。共有しないと小競り合いの種になる


第5部 時短家電の電気代は、実は小さい話

🎯 この章のゴール:食洗機・ドラム式・電気圧力鍋といった時短家電の電気代を、夏の全体像の中で正しく位置づける。罪悪感を手放す。

5-1. 私が一番モヤモヤしていたこと

正直に告白します。去年の夏、私が一番後ろめたく感じていたのは、時短家電を使うことでした。

食洗機を回すたびに「これ、電気食ってるよね」と思う。ドラム式で乾燥までかけるたびに「干せばタダなのに」と思う。電気圧力鍋を使うたびに「ガスの方が安いのかな」と思う。便利さを享受するたびに、少しずつ罪悪感が積もっていく感じ、分かってもらえるでしょうか。

でも、第1部で「夏の増加分はほぼ冷房」と書いたとおり、この罪悪感は、優先順位を大きく間違えていました。

5-2. 「1回あたりの消費電力」と「月の総量」は別物

ここで大事な考え方を書きます。電気代を決めるのは「消費電力 × 使用時間 × 使用回数」です。1回あたりの消費電力が大きく見えても、回数が限られているなら、月の総量としては小さいんですよね。

エアコンとの決定的な違いはここです。

機器 1回・1時間あたりの負担感 月の稼働 月の総量への影響
エアコン(冷房) 中程度 1日数時間〜十数時間 × 30日 非常に大きい
食洗機 やや大きく見える 1日1〜2回 × 30日、1回1〜2時間 中〜小
洗濯乾燥(乾燥あり) 大きく見える 週数回〜毎日1回
電気圧力鍋 週数回・1回数十分
ロボット掃除機 1日1回・数十分
電子レンジ 大きく見える 1回数分 とても小さい

※実際の消費電力は機種・容量・運転モードで大きく異なります。この表は「月の総量への影響の大小関係」をつかむためのものです。

電子レンジが分かりやすい例です。瞬間的な消費電力は家電の中でもかなり大きい部類ですが、使うのは1回2〜3分。 月の電気代への影響は、1日8時間動くエアコンとは比べものになりません。

「瞬間的に大きい家電」と「長時間動き続ける家電」を、同じ物差しで見てはいけない——これが、去年の私が理解していなかったことです。

5-3. 食洗機は「電気を使うけれど、水は減る」

食洗機について、もう少し具体的に書きます。

食洗機は電気を使います。でも、手洗いと比べたときに減るものもあります。

比較軸 手洗い 食洗機
電気 ほぼ使わない 使う(洗浄+乾燥)
使う量が多くなりがち(流しっぱなしだと特に) 使用水量が少ないとされる機種が多い
お湯 給湯すればガス・電気を使う 機内で加熱
時間・労力 毎回10〜20分の手間 セットするだけ
夏の副次効果 シンクの前に立って暑い 立たなくていい

※水道使用量・消費電力は機種と運転モードによって異なります。詳しくはメーカーの公表値をご確認ください。

私が言いたいのは、「食洗機は電気代の敵ではない」ということです。電気は増えるかもしれないけれど、水道は減る可能性がある。そして何より、夏の夜にシンクの前で10分立ち続けなくて済む。あれ、地味に暑いんですよね。汗をかいて、その分エアコンの設定を下げたくなる。食洗機を使うことで、間接的に冷房の負担が減っている面すらあると、私は本気で思っています。

もうひとつ、まとめて回すという工夫もあります。少量で何度も回すより、しっかり溜めてから1回で回す方が効率がいいのは、直感的にも分かりますよね。うちは朝食の食器を朝は洗わず、夜にまとめて1回、というリズムにしました。

5-4. ドラム式の乾燥——「干す時間」の価値をどう見るか

ドラム式洗濯乾燥機の乾燥機能は、時短家電の中では電気を使う方です。ここは正直に書きます。干せばゼロなのに、乾燥をかければ電気を使う。 これは事実です。

でも、共働きにとって「干す」は、電気代ゼロで手に入るものではありません。 洗濯物を干す時間、取り込む時間、天気を気にする精神的コスト、部屋干しの匂い対策、そして梅雨と夏の湿気で乾かないストレス。全部込みで「タダ」と言えるでしょうか。

干す 乾燥をかける
電気代はかからない 電気を使う
干す+取り込むで20〜30分/回 ボタンを押すだけ
天気に左右される 天気に左右されない
部屋干しは室内の湿度を上げる(=冷房の負担が増えることも) 室内に湿気を出さない機種構成もある
夜に干して朝取り込む段取りが必要 寝ている間に完了する

特に部屋干しの湿度は、夏だと見逃せません。室内の湿度が上がると体感が悪化して、エアコンの負担も増えます。「乾燥をやめて部屋干しにしたら、冷房の効きが悪くなった」——これ、実際に起こりうる話です。

私の現実的な運用はこうです。天気が良くて時間に余裕がある週末は干す。平日と雨の日は乾燥をかける。 全部を乾燥にも、全部を手干しにもしない。共働きの家事は、100か0で決めると必ずどこかで破綻します。

💡 ヒント:乾燥をかける家電は、フィルターや排水フィルターの掃除で効率が変わります。ここもエアコンと同じで、詰まっていると余計な電力を使いがち。「フィルターがある家電は、フィルターを掃除する」——これを覚えておくだけで、家中の家電に応用が効きます。

5-5. 時短家電をやめても、たぶん夏の電気代は下がらない

この章で一番言いたいことを書きます。

時短家電をやめても、夏の電気代の上がり方はほとんど変わりません。 変わるのは、あなたの可処分時間と体力だけです。

去年の私は、罪悪感から「今週は食洗機を控えめにしよう」とやってみたことがあります。結果、電気代は目に見えて変わらず、私の夜の自由時間が毎日15分ずつ削られました。 その15分は、結愛の寝かしつけの後に少しだけ本を読む時間だったり、健太郎と今週の予定をすり合わせる時間だったりしました。数十円のために手放していいものではなかったと、今なら分かります。

やめた場合 得られるもの 失うもの
食洗機をやめる ごくわずかな電気代 毎日10〜20分・夏のシンク前の暑さ
乾燥をやめる 中程度の電気代 毎回20〜30分・天気に縛られる自由
電気圧力鍋をやめる ごくわずかな電気代 火加減を見る拘束時間
冷房を我慢する 中〜大の電気代 健康と安全(=絶対にやらない)

この表を見て、私はもう迷わなくなりました。削るべきは時短家電ではなく、エアコンの効率の悪さと、契約の無駄です。 時短家電は、共働きが日常を回すためのインフラ。罪悪感を持つ必要は、まったくありません。

本章のまとめ
– 電気代は「消費電力 × 時間 × 回数」。瞬間的に大きい家電と長時間動く家電を同じ物差しで見ない
– 食洗機は電気を使うが水は減り、夏のシンク前の暑さからも解放される
– ドラム式の乾燥は電気を使うが、部屋干しの湿度は冷房の負担を増やす面もある
– 時短家電をやめても夏の電気代はほとんど変わらず、時間と体力だけが失われる
– 削る対象は時短家電ではなく、エアコンの効率と契約の無駄


第6部 待機電力・冷蔵庫・照明——地味な積み上げ

🎯 この章のゴール:エアコン以外の「一年中じわじわ効いている部分」に、手間をかけずに手を入れる。派手さはないが、一度やれば効き続ける領域。

第1部で「夏の増加分はほぼ冷房」と書きました。でもそれは、冷房以外がゼロという意味ではありません。 ここで扱うのは、夏に増える分ではなく、もともと毎月かかっている土台の部分です。土台を1段下げれば、その効果は夏も冬も一年中続きます。

6-1. 冷蔵庫——夏は一番不利な季節

冷蔵庫は、家の中で24時間365日動き続けている数少ない機器です。そして夏は、冷蔵庫にとって一番過酷な季節でもあります。外が暑いほど、庫内を冷やすのが大変になるからです。

冷蔵庫でできることを、効果と手間で整理します。

対策 内容 効果 手間
詰め込みすぎない 冷気の循環を妨げない。冷蔵室は隙間を作る 中(在庫管理)
冷凍室はむしろ詰める 凍ったもの同士が保冷し合う 小〜中
熱いものを入れない 粗熱を取ってから入れる 小〜中
開閉時間を短くする 何を取るか決めてから開ける
壁との隙間を確保 放熱スペースを空ける(機種の指定に従う) 1回だけ
温度設定を「強」から「中」へ 夏は「強」が必要な場面もあるので要判断 小〜中 1回だけ
ドアパッキンの確認 傷んでいると冷気が漏れる 確認だけ

※効果の大小は機種・使用状況によります。設置の隙間や温度設定は、必ず取扱説明書の指定に従ってください

私が実際にやって「これは効いた気がする」と思ったのは、壁との隙間の確保でした。引っ越してきたとき、少しでも部屋を広く使いたくて冷蔵庫を壁にぴったり寄せていたんです。取扱説明書を読んだら、必要な隙間の指定がちゃんと書いてありました。数センチ前に出しただけ。1回やれば終わりで、以後ずっと効き続けるタイプの対策です。

もうひとつ、共働き的に効いたのは「冷蔵庫の中身を把握する」ことでした。何がどこにあるか分からないと、扉を開けたまま探すことになります。うちは「作り置きは右上」「飲み物は下段」とざっくり定位置を決めました。開けている時間が短くなるうえに、食材のロスも減ったので、これは電気代以上の価値がありました。

⚠️ 注意:夏場は食品が傷みやすい季節です。節電のために冷蔵庫の温度設定を弱くして、食品を傷ませるのは本末転倒です。特に小さいお子さんがいる家庭では、食中毒のリスクを絶対に優先してください。「弱にできるかどうか」は、庫内の温度と保存している食品を見て判断してください。

6-2. 照明——LED化は「一度で終わる」対策

照明については、シンプルな話です。まだ蛍光灯や白熱電球を使っている場所があるなら、LEDに替えると消費電力が下がります。 これは仕組みとして確立している話で、迷う要素があまりありません。

照明の種類 消費電力の傾向 寿命の傾向
白熱電球 最も大きい 短い
蛍光灯
LED 小さい 長い

※具体的な数値は製品によって異なります。

LEDのいいところは、一度替えれば、以後何もしなくていいことです。しかも寿命が長いので、交換の手間も減ります。共働き向けの対策としては、かなり相性がいいと思っています。

ただし2点、注意があります。

注意1:賃貸の照明器具は勝手に交換できないことがある。 電球の交換は自由なことが多いですが、器具そのものの交換は管理会社への確認が必要な場合があります。うちも一度、確認せずに交換しようとして健太郎に止められました。

注意2:器具によっては対応していないLEDがある。 調光機能付きの器具や、密閉型の器具では、対応していないLED電球を使うと不具合の原因になることがあります。製品のパッケージの「対応器具」表示を必ず確認してください。

そして、「こまめに消す」については、LEDならそこまで神経質にならなくていいというのが私の感覚です。LEDの消費電力自体が小さいので、部屋を出るたびに消灯を厳格に管理する労力に見合うかというと、微妙なところ。トイレの電気を消し忘れたくらいで家族に注意するのは、家庭内の空気を悪くする割にリターンが小さい——これは第9部でもう一度書きます。

6-3. 待機電力——ゼロではないが、優先順位は高くない

待機電力(使っていないのにコンセントに挿さっているだけで消費される電力)は、家全体で見れば無視できない程度にはあるというのが一般的な理解です。ただし、家庭の電気全体に占める割合はそれほど大きくありません。

そして、待機電力対策には手間という重大な弱点があります。「使わないときは抜く」を毎回やるのは、共働きの生活では現実的ではありません。挿し直すのを忘れて、朝に慌てるのが目に見えています。

だから私は、待機電力については「手間ゼロでできるものだけやる」という方針にしました。

やること 手間 やらないこと
使っていない家電をコンセントから抜く(1回で終わる) 10分・1回 毎日抜き差しする
スイッチ付き電源タップに替える 購入+設置1回 出かけるたび全部オフ
長期の旅行前にまとめて抜く 年数回 日常的な抜き差し
使っていない充電器を挿しっぱなしにしない 1回 毎回抜く

うちの場合、もう使っていない機器の充電器がテレビ台の裏に3本、挿しっぱなしになっていました。これはさすがに抜きました。1回抜けば終わりなので。でも、毎晩テレビの主電源を切りに行くようなことはしていません。得られるものに対して、生活のストレスが大きすぎるからです。

💡 ヒント:待機電力対策で唯一おすすめしたいのは、「テレビ台やデスク周りのコンセントを一度全部見る」という棚卸しです。使っていない機器が意外と挿さっています。年に1回、10分やるだけ。この「1回やれば終わる」形に落とし込むのが、共働きの節電のコツです。

6-4. 給湯——夏こそ見直しどきかもしれない

見落とされがちですが、お湯をつくるエネルギーは家庭のエネルギー消費の中で大きな位置を占めます。給湯がガスなら電気代には直接効きませんが、電気給湯なら関係してきます。

夏は、この見直しが一番しやすい季節です。

見直しポイント 内容
給湯温度の設定 夏は冬ほど高い設定が必要ない場合がある
シャワーの時間 夏はシャワーで済ませる家庭が多く、時間が積み上がる
追い焚きの回数 家族の入浴時間をまとめると回数が減る
手洗いのお湯 夏は水で足りることが多い

うちは「夏は給湯温度を少し下げる」「家族の入浴時間を続けてまとめる」の2つだけやっています。特に後者は、追い焚きの回数が減るうえに、お風呂まわりの家事が一気に片づくので、生活のリズム上も助かっています。結愛→私→健太郎の順で、間を空けない。ただそれだけです。

⚠️ 注意:給湯温度の設定は、やけどの防止の観点でも重要です。小さいお子さんがいる家庭では、温度を上げすぎない配慮が必要な一方、下げすぎると衛生上の問題が生じる設備もあります。必ず設備の取扱説明書と、賃貸なら管理会社の案内に従ってください。

6-5. 地味な積み上げは「1回で終わる形」にする

第6部で挙げたものを、共働き視点でもう一度並べ直します。判断基準はただひとつ、「1回やれば終わるかどうか」です。

対策 1回で終わる? 優先度
冷蔵庫の壁との隙間確保 ✅ 終わる
冷蔵庫の定位置ルール決め ✅ ほぼ終わる
LED化 ✅ 終わる
使っていない機器のコンセント棚卸し ✅ 終わる(年1)
スイッチ付き電源タップ導入 ✅ 終わる
夏の給湯温度設定 ✅ 終わる(季節ごと)
入浴時間をまとめる 習慣化すれば終わる
冷蔵庫の開閉を短く ❌ 毎回意識が必要
こまめな消灯の徹底 ❌ 毎回意識が必要
毎日のコンセント抜き差し ❌ 毎回手間 やらない

上の「✅」が付いているものだけを、今度の週末に1時間で全部片づける。これが私のおすすめです。1時間の投資で、以後ずっと効き続ける。共働きにとって、これ以上ない形だと思います。

本章のまとめ
– 冷蔵庫は24時間動き続ける。壁との隙間確保と中身の把握が効く(節電のために食品を傷ませない)
– 照明のLED化は「一度で終わる」優等生。賃貸は器具交換の可否を確認
– 待機電力はゼロではないが優先度は高くない。年1回の棚卸しだけやる
– 夏は給湯の見直しがしやすい季節。入浴時間をまとめると回数が減る
– 判断基準は「1回やれば終わるか」。毎回意識が必要なものは共働きには続かない


第7部 料金プラン・契約アンペアの見直しという選択肢

🎯 この章のゴール:使い方を変えずに支払額を下げられる可能性がある「契約側の見直し」を理解し、自分の家で確認すべき項目を持ち帰る。

7-1. 使い方を変えなくても変わる部分がある

ここまでは「使い方」の話でした。ここからは、使い方をまったく変えずに支払額が変わりうる領域の話です。

電気の料金は、ざっくり言うと次の要素の組み合わせで決まります(プランや会社によって構成は異なります)。

要素 内容
基本料金 契約容量(アンペア等)に応じて毎月かかる固定部分。使わなくてもかかる
従量料金 使った量(kWh)に応じてかかる部分。段階制のことが多い
燃料費等の調整 燃料価格などに応じて増減する部分
再生可能エネルギー賦課金 使用量に応じてかかる

このうち、自分の意思で動かせる余地があるのは「基本料金(契約容量)」と「プランの選択」です。そして重要なのは、これらは一度見直せば、以後ずっと効き続けるということ。フィルター掃除のように繰り返す必要がありません。共働きにとって、これほど相性のいい節電はないと私は思っています。

⚠️ 重要なお断り:料金プランの構成・契約容量の考え方・切り替えの可否は、お住まいの地域と契約している電力会社によってまったく異なります。この記事では一般的な考え方だけを整理します。具体的な料金・条件・手続きは、必ず契約中の電力会社の公式サイトやマイページ、または各社の公式窓口でご確認ください。 私はエネルギーの専門家ではなく、この記事は特定のプランや会社をおすすめするものではありません。

7-2. 契約アンペアとは何か——「同時に使える量」の話

まず、契約アンペアの考え方を整理します。地域によって仕組みが異なりますが、アンペア制の地域では次のようなイメージです。

契約アンペアは「一度に同時に使える電気の量」の上限です。使った総量ではありません。ここ、混同しやすいポイントです。

  • 契約アンペアを下げる → 基本料金が下がる可能性がある
  • ただし → 同時にたくさんの家電を使うとブレーカーが落ちやすくなる

つまり、「うちは同時にどれだけ使うか」が判断材料になります。

共働き家庭の夕方を思い出してください。エアコン+電子レンジ+炊飯器+ドライヤー+洗濯乾燥機+食洗機+照明——これが重なる瞬間があります。うちも一度、私がドライヤーを使っている最中に健太郎が電子レンジを回して、ブレーカーが落ちたことがあります。真っ暗な部屋で結愛が泣き出して、大惨事でした。

契約アンペアを下げる メリット デメリット
下げる 基本料金が下がる可能性 ブレーカーが落ちやすくなる
現状維持 ブレーカーの心配がない 基本料金はそのまま
上げる 同時使用に余裕 基本料金が上がる

私の正直な意見を書きます。共働きで、夕方に家事家電が集中する家庭は、無理にアンペアを下げない方がいいと思っています。ブレーカーが落ちると、炊飯が止まる・洗濯が止まる・パソコンの作業が飛ぶといった実害が出ます。夜の忙しい時間にそれが起きたときの被害は、下げて浮く基本料金では埋め合わせられません。

逆に、「うちは同時使用が少ない」という自覚がある家庭(在宅時間が短い、家電が少ない、家族が少ない)は、確認する価値があります。契約時のまま何年も見直していない、というケースは珍しくありません。

⚠️ 注意:契約アンペアの変更は、地域・住まい・設備の条件によって、できる場合とできない場合、工事が必要な場合があります。また一度変更すると、一定期間は再変更できないルールを設けている会社もあります。必ず契約中の電力会社に確認してから判断してください。 ブレーカーが頻繁に落ちる状態は、生活の質を確実に下げます。

7-3. 料金プランの見直し——生活リズムと合っているか

もうひとつが、料金プランそのものです。多くの電力会社が、生活パターンに応じた複数のプランを用意しています。

プランのタイプ(一般的な傾向) 向いている家庭
使用量に応じた段階制の標準プラン 標準的な使い方。特徴的な偏りがない
夜間・深夜が割安なタイプ 夜と早朝に電気を使う家庭
昼間が割安なタイプ 日中在宅の家庭
使用量が多いほど有利になるタイプ 使用量が多い家庭
基本料金なしのタイプ 使用量が少ない家庭

※プランの名称・内容・提供状況は電力会社によってまったく異なります。ここに書いたのは一般的な分類の考え方です。

共働き家庭は、電気の使い方に明確な偏りがあります。平日の日中は不在、夜に集中、週末は終日在宅。この偏りが、契約しているプランと噛み合っているかどうか——ここは一度確認する価値があると思います。

私が去年やったのは、たったこれだけです。

  1. 契約中の電力会社のマイページにログインする
  2. 今の契約プランと契約容量を確認する(意外と覚えていません)
  3. 公式サイトで、他にどんなプランがあるか一覧を見る
  4. マイページに出ている時間帯別の使用量を見て、自分の家の偏りを確認する
  5. 明らかに合っていなさそうなら、公式の問い合わせ窓口に相談する

所要時間、30分くらいでした。エアコンのフィルターを2回掃除するのと同じくらいの時間で、以後ずっと効き続ける可能性のある見直しができるわけです。優先順位としては、かなり上位だと思っています。

7-4. 電力会社の切り替えについて——慎重に、公式で

電力会社そのものを切り替えるという選択肢もあります。ただ、ここは私も慎重に書きます。

確認すべきこと なぜ大事か
現在の契約の解約条件 違約金・期間の縛りがある場合がある
新しい契約の料金構成 「基本料金が安い」だけで従量が高いこともある
燃料費調整等の扱い 上限の有無で、条件によって差が出ることがある
セット割引の条件 ガス・通信とのセット条件を満たせるか
供給の安定性・会社の状況 契約先が事業を継続できるか
賃貸の場合の制約 建物一括契約などで切り替えられないことがある

※上記は一般的な確認項目です。実際の条件は各社・各契約で異なります。

正直に言うと、うちはまだ切り替えていません。比較サイトの情報だけで判断するのが怖かったのと、条件が複雑で、本当に得になるか自分で検証しきれなかったからです。第2部で「我慢は筋が悪い」と書きましたが、理解しきれていない契約に飛びつくのも、それはそれで筋が悪いと思っています。

私のスタンスは、「まずは今の会社の中でプランと契約容量を最適化する。切り替えは、時間がある月にじっくり調べてから」です。焦って決めるものではありません。

💡 ヒント:比較サイトの試算は便利ですが、最終判断は必ず各社の公式サイトの料金表で行ってください。試算の前提条件(使用量のモデル・適用される調整額・キャンペーンの期間)が、自分の家に当てはまらないことがあります。「公式で確認する」は、この記事全体を通じた鉄則です。

7-5. 契約側の見直しが、共働きに一番向いている理由

第7部の内容を、共働き視点でまとめます。

節電のタイプ 必要な労力 効果の持続
我慢する 毎日・つらい 続かない
こまめに消す 毎日・意識が必要 続きにくい
フィルター掃除 月1回・10分 数週間
遮熱・気流の工夫 設置1回+毎朝5秒 持続する
プラン・契約容量の見直し 1回・30分〜 ずっと

一番下だけ、労力の欄が「1回」で、効果の欄が「ずっと」なんですよね。共働きが探しているのは、まさにこの形だと思うんです。毎日の努力が要らなくて、一度やれば効き続けるもの。

もちろん、見直した結果「今のままが最適だった」となることもあります。それでも、「うちは確認済み」という状態になること自体に価値があると私は思っています。モヤモヤしたまま毎月明細を見るより、ずっと精神衛生がいいので。

本章のまとめ
– 電気代には使い方で動く部分と、契約で動く部分がある
– 契約アンペアは「同時に使える量」。共働きの夕方は集中するので、無理に下げない
– プランが生活リズム(平日夜+週末終日)と合っているか、マイページで確認する
– 電力会社の切り替えは、解約条件・料金構成・賃貸の制約を公式で確認してから
– 契約側の見直しは「1回で、ずっと効く」。共働きに最も向いた節電


第8部 共働きが手間をかけずにできる優先順位トップ5

🎯 この章のゴール:ここまでの内容から、共働き家庭が実際に手をつけるべき5つを決め打ちする。迷う時間をなくす。

ここまで長く書いてきましたが、全部やる必要はありません。 この章では、私が自分の家で「これだけはやる」と決めた5つを、順番に並べます。理由は毎回同じで、効果が大きく、手間が小さく、一度やれば持続するからです。

8-1. 第1位:エアコンの風量を「自動」にする(所要時間10秒)

堂々の第1位です。リモコンを一度押すだけ。それで終わり。

「弱にしておいた方が省エネ」という思い込みで風量を絞っていた家は、ここを直すだけで効率が変わる可能性があります。手間ゼロで、毎日効き続ける。 これ以上のコストパフォーマンスはありません。

今すぐリモコンを手に取って、風量が「自動」になっているか見てください。それだけで、この記事を読んだ元は取れます。

8-2. 第2位:朝、遮光カーテンを閉めてから出る(所要時間5秒)

平日の日中、家は無人です。その間に日射が入って、床も壁も家具も熱を溜め込む。帰ってきたときの「うわ、あつい」の正体はそれです。

朝、家を出る前にカーテンを閉める。 それだけで、帰宅時の室温が変わります。エアコンが最初にする仕事が軽くなる。

うちは「後から出る方が閉める」というルールにしました。健太郎が先に出て、私が結愛を保育園に送るので、結果的に私の担当です。玄関のドアに小さく紙を貼っておいたら、1週間で習慣になりました。

8-3. 第3位:室外機の前の物をどける+フィルター掃除(週末に1回・30分)

週末に30分だけ確保して、この2つをやります。

室外機まわりは、ベランダに置いた物が排気を塞いでいないかを見るだけ。フィルター掃除は、掃除機をかけて、汚れていれば洗って乾かして戻す。

これは「毎週やらなきゃ」と思うと続かないので、シーズンの入口(6月ごろ)に1回、真夏の途中(8月ごろ)に1回やれば上出来、と割り切っています。うちはこれを「夏の家事イベント」として、カレンダーに入れてしまいました。

💡 ヒント:フィルター掃除の日は、結愛にも手伝ってもらっています。掃除機のノズルを持たせて、一緒にホコリを吸う。子どもは意外と喜びますし、その間に私は室外機まわりを片づけられる。共働きの家事は、子どもを”待たせる”より”巻き込む”方が早いことが多いです。

8-4. 第4位:サーキュレーターを併用する(電源を入れるだけ)

エアコンと一緒にサーキュレーターを回す。これも、電源を入れるだけという点で共働き向きです。

狙いは2つ。部屋の温度ムラをなくすことと、体感温度を下げて、設定温度を無理なく上げられるようにすること。第2部で書いたとおり、我慢して設定温度を上げるのはナシですが、風があって快適なまま設定温度が上がるなら、それは我慢ではありません。

うちはリビングに1台。エアコンの真下あたりに置いて、部屋の奥に向けて回しています。子どもがいる家庭は、転倒しにくい形状のものや、指が入りにくいガードのものを選ぶと安心です。結愛は必ず触りに来るので、ここは妥協しませんでした。

8-5. 第5位:契約プランと契約容量を確認する(1回・30分)

そして最後が、第7部で書いた契約側の確認です。

マイページにログインして、今のプランと契約容量を確認する。時間帯別の使用量を見る。他にどんなプランがあるか公式サイトで見る。それだけです。

1回で終わって、効果はずっと続く。 共働きの節電で、これほど「投資対効果」がいいものはなかなかありません。ただし、実際に変更するかどうかは、必ず公式の情報を確認してから判断してください。

8-6. 【一覧】この5つだけやればいい

順位 やること 所要時間 頻度 効果の持続
1位 エアコンの風量を「自動」に 10秒 1回 ずっと
2位 朝、遮光カーテンを閉める 5秒 毎朝 その日ずっと
3位 室外機の前を片づける+フィルター掃除 30分 年2回〜 数か月
4位 サーキュレーター併用 電源オン 使うたび 使用中ずっと
5位 契約プラン・契約容量の確認 30分 1回 ずっと

合計しても、1回きりの作業が約1時間、あとは毎朝5秒です。共働きでも回せる分量だと思いませんか。

そして重要なのは、この5つのどれにも「我慢」が入っていないということです。暑さを耐える項目はゼロ。時短家電をやめる項目もゼロ。生活の質を下げずに、電気の使い方だけを変える——これが、この記事で伝えたかった形です。

本章のまとめ
– やることは5つだけ。風量自動/朝カーテン/室外機+フィルター/サーキュレーター/契約確認
– 合計しても1回きりの作業が約1時間+毎朝5秒
– 5つのどれにも「我慢」が入っていない
– 全部やろうとして挫折するより、上から5つを確実にやる方が結果が出る


第9部 やらなくていい節電——労力に見合わないもの

🎯 この章のゴール:手間の割に効果が小さい、あるいは家庭の空気を悪くする節電を特定し、堂々とやめる。

節電記事は「やること」ばかり増えます。でも共働きに本当に必要なのは、「やらなくていいことリスト」だと私は思っています。この章は、そのためのものです。

9-1. 毎日のコンセント抜き差し

第6部でも触れましたが、改めて。使うたびに挿して、使い終わったら抜くという運用は、共働きの生活では続きません。

しかも実害があります。挿し忘れて充電されていなかった、抜き忘れて意味がなかった、抜き差しの繰り返しで機器やプラグを傷めた——このあたりは全部、私が実際にやらかしたことです。ある朝、健太郎のスマホが充電されていなくて「昨日充電器抜いた?」と朝から小競り合いになりました。数十円のために、朝の空気を悪くする価値はありません。

やるなら「年1回の棚卸し」だけ。 使っていない機器の充電器を抜く。それで十分です。

9-2. 家族への「消して」の声かけ

これは効果の話というより、家庭運営の話です。

「電気つけっぱなし!」「エアコンつけたまま出た!」——こういう声かけが日常化すると、家の中がずっと監視の空気になります。しかも、注意される側は必ずうんざりします。私も健太郎に何度か言われて、正直「そんなに大した金額じゃないでしょ」と思ってしまいました。

節電は、注意し合うことではなく、ルールを決めることで解決すべきだと思っています。第4部で書いた「30分以内の外出は消さない」を紙に貼ったら、この手のやりとりが激減しました。人を直すのではなく、仕組みを置く。 これは仕事でもよく言われることですが、家庭でもまったく同じでした。

よくある声かけ 代わりに置くべき仕組み
「エアコン消して出て」 家のルールを決めて紙に貼る
「電気消して」 人感センサー付き照明・そもそもLEDなら気にしない
「冷蔵庫開けっぱなし」 定位置を決めて探す時間を減らす
「テレビつけっぱなし」 自動オフ機能の設定を1回やる

9-3. 効果を実感できない細かすぎるテクニック

節電情報の中には、理屈としては正しいけれど、家庭で実行しても体感できないほど効果が小さいものがあります。

よく見るテクニック 私の評価
電気ポットを都度やかんに切り替える 生活スタイル次第。手間の方が大きいことが多い
テレビの画面の明るさを最小にする 効果は小さく、目が疲れる
炊飯器の保温をやめて都度レンジ 手間が増える割に効果は限定的(食味の好みなら別)
洗濯を風呂の残り湯にする 水道代には効くが、電気代への効果は限定的
掃除機を短時間で終わらせる 効果はごく小さい

誤解しないでほしいのですが、これらが「間違い」だと言っているのではありません。 どれも理屈は通っています。ただ、共働きの限られた気力と時間を、ここに投じるのは配分としてもったいない、というだけです。

同じ気力を、契約プランの確認(1回30分でずっと効く)に使った方が、明らかにリターンが大きい。優先順位の問題です。

9-4. 「エアコンを我慢する」——絶対にやらない

繰り返しになりますが、この章に一番大きく書いておきます。

暑さを我慢して電気代を下げる、という節電は、この記事では一切おすすめしません。

第2部で書いたとおり、続かず、不安定で、そして何より健康を賭ける行為だからです。特に小さいお子さん、高齢のご家族、体調に不安がある方がいる家庭では、絶対に選ばないでください。

もし「電気代が心配でエアコンをつけるのをためらってしまう」という状況にあるなら、それは節電の技術の問題ではなく、家計や契約の設計の問題である可能性があります。そういうときこそ、第7部の契約の見直しや、自治体の相談窓口・支援制度の情報を確認してみてください。我慢で解決しようとしないでください。

9-5. 完璧を目指すこと自体をやめる

最後に、これが一番大事かもしれません。節電で完璧を目指すのを、やめましょう。

去年の私は、一時期けっこう頑張っていました。フィルターを2週に1回掃除して、こまめに消して、待機電力も抜いて。でも2週間で疲れて、全部やめてしまいました。ゼロになりました。

今年の私は、風量を自動にして、朝カーテンを閉めて、月1でフィルターを掃除して、サーキュレーターを回しています。それだけ。でも、続いています。

完璧主義の節電 ゆるい節電
項目が10個以上 項目は5個以下
毎日の意識が必要 1回やれば終わるものが中心
できない日に自己嫌悪 できない日があっても崩れない
家族に協力を強いる ルールを貼るだけ
2週間で崩壊 シーズンを通して続く

続かない100点より、続く60点。 これは節電に限らず、共働きの家事全般に言えることだと、この数年で学びました。

本章のまとめ
毎日のコンセント抜き差しはやらない。年1回の棚卸しで十分
– 家族への「消して」の声かけより、ルールを決めて貼る
– 細かすぎるテクニックは、気力の配分としてもったいない
エアコンの我慢は絶対にやらない。困っているなら契約や公的な相談窓口を見る
続かない100点より、続く60点


FAQ よくある質問

🎯 この章のゴール:夏の電気代について繰り返し聞かれる疑問に先回りで答え、最後の迷いを消す。

Q1. 共働き家庭の夏の電気代って、いくらくらいが普通ですか?
これはよく聞かれるのですが、正直、一概には言えません。世帯人数・住まいの広さ・断熱性能・在宅時間・契約プラン・地域の暑さ・機種の年式で、同じ「共働き4人家族」でも大きく変わります。「平均はいくら」という数字を目安として見るのは構いませんが、それより自分の家の前年同月と比べる方が、はるかに役に立ちます。他人の家と比べても、条件が違いすぎて対策につながらないんですよね。正確な自分の使用量は、契約中の電力会社のマイページで確認できます。

Q2. 設定温度は何度がいいですか?
具体的な温度をこの記事で推奨することはしません。室温の目安については、公的機関や自治体が案内している情報を確認してください。 そのうえで一般論として言えるのは、設定温度を下げることでしか涼しさを得られない状態なら、その前に効率と気流を改善する余地があるということです。風量を自動にして、サーキュレーターを回して、フィルターを掃除して、遮熱をして——それでも暑いなら、迷わず温度を下げてください。体調が最優先です。

Q3. 日中誰もいないのに、ペットのためにエアコンをつけています。無駄ですか?
無駄ではありません。動物も暑さで体調を崩します。 ここは節電の対象にせず、「必要な支出」と考えていいと思います。そのうえでできるのは、その部屋だけを冷やす(ドアを閉めて冷やす範囲を狭める)、遮光カーテンを閉めておく、といった効率化です。冷やす体積を小さくすれば、同じ涼しさを少ない電力で保てます。

Q4. 在宅勤務の日は電気代が上がりますよね?どうすればいいですか?
上がります。これは避けられません。日中ずっと冷房を使うことになるので、当然です。工夫できるとしたら、作業する部屋を1つに絞って、そこだけ冷やすこと。家じゅうのエアコンを動かすより、リビングだけ、書斎だけ、と絞る方が効率的です。うちは健太郎が在宅の日、リビングで作業してもらって、他の部屋は閉め切っています。ちなみに、在宅勤務で通勤しない分、交通費や外食費が浮いている面もあるので、電気代だけを取り出して損得を考えなくていいと思っています。

Q5. 食洗機とドラム式、夜に回すのと朝に回すの、どちらが得ですか?
契約している料金プラン次第です。時間帯によって単価が変わるプランを契約しているなら、割安な時間帯に回す方が有利になります。標準的な段階制のプランなら、時間帯による差はありません。つまり、まず自分のプランを確認するのが先、という話になります(第7部参照)。ただし、夜間の運転音がご近所迷惑にならないか、集合住宅では特に配慮してください。うちは賃貸なので、深夜の洗濯乾燥は避けています。

Q6. サーキュレーターを買い足したら、逆に電気代が増えませんか?
サーキュレーターや扇風機の消費電力は、エアコンに比べればずっと小さいのが一般的です。そのため、小さい電力を足すことで、エアコンの大きな電力を減らせる可能性があるという構図になります。ただし、サーキュレーターを回しても設定温度を上げないなら、単純に増える分だけが乗ります。「風があるから設定温度を上げても快適」という状態にして初めて、節電として機能すると考えてください。

Q7. エアコンのフィルター掃除、面倒すぎて続きません。
分かります。私も続いていません。だからハードルを下げました。「2週に1回」を守ろうとして0回になるくらいなら、「6月に1回、8月に1回」でいいです。 やらないよりは圧倒的にマシです。それも難しければ、エアコンをつけ始める日に1回だけやってください。シーズン初日の1回が、一番効きます。完璧を目指して挫折するのが、一番もったいないパターンです。

Q8. 「エアコンつけっぱなしの方が安い」って本当ですか?
条件次第です。 常に正しいわけではありません(第4部参照)。短時間の外出ならつけっぱなしが有利になりやすく、長時間の外出なら消した方が有利になりやすい。境目は家の断熱性・外気温・機種で動きます。ネットで「つけっぱなしが絶対安い」と断言している情報は、少し疑ってかかった方がいいと私は思っています。うちは「30分以内なら消さない」で固定しました。毎回考えないのが一番の節約です。

Q9. 賃貸なので断熱工事はできません。何ができますか?
賃貸でも、原状回復できる範囲でできることはあります。遮光・遮熱カーテンへの交換、窓に貼る断熱シート(はがせるタイプ)、すだれやシェード(ベランダの手すりに掛けるタイプ)などです。ただし、外部に見えるものの設置は、管理規約や管理会社の確認が必要な場合があります。うちも一度確認しました。「ベランダのすだれはOK、外壁に穴を開けるのはNG」という回答でした。まず確認する。これが一番安全です。

Q10. 電気代が家計を圧迫していて、本当に苦しいです。
その場合、節電のテクニックだけで解決しようとしないでください。契約プランや契約容量の見直し(第7部)が第一で、それでも厳しい場合は、お住まいの自治体の相談窓口や、公的な支援制度の情報を確認してみてください。制度の有無や条件は地域・時期によって異なります。そして繰り返しになりますが、苦しいからといって夏にエアコンを止めるのは、絶対に選ばないでください。 健康を失うコストは、電気代とは比べものになりません。

Q11. 古いエアコン、今すぐ買い替えた方がいいですか?
急がなくていいというのが私の意見です(第3-9参照)。冷えない・異音がする・水漏れするなど不調があるなら検討する価値がありますが、普通に動いているなら、まずフィルターと室外機まわりを整えてください。買い替えの費用を電気代の差で回収するには時間がかかることが多く、それは節約というより設備投資です。壊れる前に、余裕のあるときに情報収集を始めるくらいがちょうどいいと思います。

Q12. 節電の効果って、どうやって確認すればいいですか?
電力会社のマイページで、使用量(kWh)を前年同月と比べるのが一番確実です。金額は単価の変動に影響されるので、努力の成果が見えにくいんですよね。多くの会社が日別・月別の使用量グラフを出してくれます。私はスマホのホーム画面にマイページのショートカットを置いて、月に1回だけ見るようにしています。見すぎると疲れるので、月1回で十分です。

本章のまとめ
– 平均額と比べるより、自分の家の前年同月と比べる
– 具体的な設定温度は公的機関の案内を確認。体調が最優先
– 時間帯による損得は契約プラン次第。まずプランを確認する
– フィルター掃除はハードルを下げてでも続ける
– 家計が苦しいときは、我慢ではなく契約の見直しと公的な相談窓口


まとめ——我慢しないで、仕組みで下げる

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございます。かなり長くなりました。最後に要点を整理して、あなたが今日から動ける状態にします。

この記事のまとめ

  • 夏の電気代の増加分は、ほぼ冷房。まずエアコンを見るのが正解
  • 「エアコンを我慢する」は絶対にやらない。健康が最優先で、節約手段としても筋が悪い
  • 対策は「冷やす負担を減らす/熱を捨てやすくする/体感温度を下げる」の3方向で考える
  • 風量は「自動」が基本。手動の微調整で機械に勝とうとしない
  • 朝カーテンを閉める・室外機の前を空ける・フィルターを掃除する——手間が小さく効果が大きい3点
  • つけっぱなし論争は条件次第。家のルールを決めて、毎回考えないようにする
  • 時短家電をやめても夏の電気代はほとんど変わらない。罪悪感は不要
  • 冷蔵庫・照明・待機電力は「1回で終わる形」に落とし込む
  • 契約プラン・契約容量の見直しは、1回で、ずっと効く。共働きに一番向いている
  • 効果測定は金額ではなく使用量(kWh)の前年同月比

🎯 迷ったらコレ(結論)

それでも「結局、今日は何をすればいいの」という人へ。私の結論はこれだけです。

今日:エアコンのリモコンを見て、風量を「自動」にする。明日の朝:出かける前にカーテンを閉める。
今週末:室外機の前の物をどけて、フィルターを掃除する。ついでに電力会社のマイページで、契約プランと契約容量を確認する。
そして、暑いと感じたら、迷わずエアコンをつける。

去年の私は、明細を見て青ざめて、最初に「我慢」を選ぼうとしました。今年の私は、我慢をひとつもしていません。それでも、去年より落ち着いた気持ちで夏を過ごせています。やったことは、リモコンを1回押して、朝カーテンを閉めて、週末にベランダを片づけて、マイページを30分見ただけです。

節電って、本当は「頑張ること」ではなく「仕組みを整えること」なんだと思います。頑張りは続きませんが、仕組みは黙って効き続けてくれる。共働きの私たちに必要なのは、後者の方です。

そして何より——暑い日は、涼しくして過ごしてください。 結愛が汗だくで泣いている横で電気代を計算していた去年の私に、それだけは伝えたいです。

最終チェックリスト(自己診断)

  • [ ] エアコンの風量を「自動」にした
  • [ ] 朝、出かける前にカーテンを閉める習慣ができた
  • [ ] 室外機の前に物を置いていないか、ベランダを確認した
  • [ ] フィルターを、今シーズン最低1回は掃除した
  • [ ] サーキュレーターまたは扇風機を、エアコンと併用している
  • [ ] 「短い外出では消さない」など、家のルールを家族と共有した
  • [ ] 冷蔵庫と壁の隙間を、取扱説明書どおりに確保した
  • [ ] まだ蛍光灯・白熱電球の場所があれば、LED化を検討した(賃貸は要確認)
  • [ ] 使っていない機器の充電器を、一度まとめて抜いた
  • [ ] 電力会社のマイページで、契約プランと契約容量を確認した
  • [ ] 使用量(kWh)を前年同月と比べた
  • [ ] 「暑いと感じたら、まずエアコンをつける」を家族で確認した

上の項目のうち、最後の1つだけは必ずチェックしてください。 他が全部できていなくても、それだけは。

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💬 「うちの間取りだとどうすればいい?」など、個別の質問はXのDMで受け付けています。同じ「共働きの平日」を戦う仲間として。この夏が、少しでも涼しく、少しでも穏やかでありますように。


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本記事は2026年時点の情報です。電気料金・料金プラン・契約容量の考え方・切り替え条件は、地域・電力会社・時期によって異なり、変わることもあります。記事中の金額はすべて目安であり、実際の電気代は住まいの条件・機種・使い方によって大きく変動します。最新かつ正確な情報は、必ず契約中の電力会社の公式サイトや公的機関の案内をご確認ください。家電の取り扱い・清掃方法は、必ずお使いの機種の取扱説明書に従ってください。体調に不安がある場合は、節電より健康を優先し、必要に応じて医療機関にご相談ください。本文中の体験談は、あくまで私個人の感想です。

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